ラボ検査機器におけるCANopenの利用
医療検査ラボは競争力を維持しながらコストを抑制するために、検査手順を自動化する必要に迫られています。製薬会社やバイオ企業も開発サイクルを短縮するために、同様の対策を行っています。医療ラボ向けに自動マテリアルハンドリングシステムや自動保管システムが提供されるようになったのはこのためです。これらのシステムには、薬品や検査物質を温度管理された環境で保管するトレイと、トレイを検査エリアに運ぶハンドリングシステムが含まれています。検査エリアでは、検査物質を自動的に混ぜることができます。生成された混合物は試験管やシャーレ上に置かれ、保管または移動できます。
このようなシステムには、物質の保管場所および個々の試験管やシャーレの履歴に関する情報を格納するデータベース、およびすべての動作を制御するコンピュータの2つのメイン要素が必要になります。
薬品調査会社向けにプロセス管理システムを提供しているTekCel社は、自社のサーボシステムを社内で構築していました。しかし、システムを最新の状態に維持する作業が次第に複雑化して時間が掛かるようになり、サーボシステムに十分な人員を割くことが難しくなりました。TekCel社は社内でシステムを構築せずにシステムを購入することにしました。このシステムは複数の製薬会社で使用されています。製薬会社では、疾患細胞を数千本の試験管に入れて薬品を投与し、特効薬として使用できるか判定します。この検査で肯定的な結果を示した薬品について、さらに詳しい調査を行います。250,000本の試験管を検査して、2,000種類の薬品が詳細な調査に回されることも珍しくありません。このため、大きなエリアをカバーし、ラックや試験管を高速かつ正確に移動するシステムが必要です。スタッフが本来の業務以外の作業に時間を取られるようになるにつれ、社内構築の独自ソリューションに代わる市販のソリューションへの期待が高まりました。このシステムの課題はマニホールドでした。
これまで、TekCel社は独自仕様の分散型サーボコントローラとRS-485マルチドロップネットワークを使用していました。このソリューション用に同社が選択したドライブのパッケージサイズは同じですが、最新機能、安定したCANコミュニケーション、用途に適した動作温度に対応しています。CANプロトコルを使用する空気弁やI/Oモジュールの制御にはCANopenネットワークが使用されます。ドライブは500Kbpsのビットレートでネットワーク接続されます。同社がCANopenを使用することに決めたのは、リアルタイム性能が優れていたためです。ドライブにはCANopenアプリケーション層(CiA 301)とドライブおよびモーション制御用デバイスプロファイル(CiA 402)が実装されています。CANopenインターフェイスとRS-232インターフェイスが1つずつ搭載されています。ドライブは同社のプログラミング言語を使用してプログラムできます。ドライブには32KiBのメモリが搭載されています。ユーザーは同社のセットアップツールを使用して、ドライブのセットアップ、構成、調整、分析、およびドライブのプログラミングを行うことができます。
引用元: CANニュースレター(2005年3月)









